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2026年03月18日

公正取引委員会の警告とは?

第1 警告(公正取引委員会の審査に関する規則26条)
1 令和8年3月12日、株式会社ザグザグが公正取引委員会から警告を受けました(添付資料)。
  公正取引委員会は、公正取引委員会の審査に関する規則26条1項に基づき、警告することができます。
  警告とは、公正取引委員会が、独占禁止法第三条、第六条、第八条又は第十九条の規定に違反するおそれがある行為がある又はあったと認める場合において、当該事業者又は当該事業者団体に対して、その行為を取りやめること又はその行為を再び行わないようにすることその他必要な事項を指示することをいいいます(同規則26条1項)。
(警告)第二十六条
 1項 警告(委員会が、法第三条、第六条、第八条又は第十九条の規定に違反するおそれがある行為がある又はあったと認める場合において、当該事業者又は当該事業者団体に対して、その行為を取りやめること又はその行為を再び行わないようにすることその他必要な事項を指示することをいう。以下本条及び第三十条において同じ。)は、文書によってこれを行い、警告書には、警告の趣旨及び内容を示し、審査局長がこれに記名押印しなければならない。
2 その警告署は、名宛人又は代理人に送付します(同規則26条2項)。
  また、名宛人(本件では株式会社ザグザグ)に対して、あらかじめ、意見を述べる機会、証拠を提出する機会(同3項)が付与されることになります。
  そして、警告の名宛人となるべき者は、前項の規定により意見を述べ、又は証拠を提出するに当たっては、代理人を選任することができます(同4項)。
また、公正取引委員会は、同規則26条3項の規定による意見を述べ、及び証拠を提出する機会を付与するときは、その意見を述べ、及び証拠を提出することができる期限までに相当な期間をおいて、警告の名宛人となるべき者に対し、次の各号に掲げる事項を書面により通知しなければならないとして、名宛人に対して手続きの保障をしています(同26条5項)。
その内容は、①予定される警告の趣旨及び内容(同項1号)、②委員会に対し、前号に掲げる事項について、文書により意見を述べ、及び証拠を提出することができる旨並びにその期限(同項2号)です。また、公正取引委員会は、正当な理由があると認めた場合には、職権又は申立てにより、前項第二号の期限を延長することができるとされています(同6項)。
3 警告は、排除措置命令と異なり、違反認定そのものではありませんが、実質的な違反の疑いとして公表されますので、決して軽視されるべきではありません。前記のとおり、弁明の機会は名宛人に付与されますので、疑われている独占禁止法違反について、要件を充足しているのかが重要です。是非、肥田弘昭法律事務所にご相談ください。
第2 株式会社ザグザグの警告概要は優越感的地位の濫用に該当するかについて
 1 添付資料の「2警告の概要(1)」において、株式会社ザグザグは、納入業者に対して、自社の店舗の新規開店又は改装開店に際し、これらを実施する店舗において商品の陳列や納入業者の商品以外の商品の陳列等の作業を納入業者の負担でさせていたとのことですので、典型的な優越感地位の濫用です。
  これは、公正取引委員会が公表している独占禁止法コンプライアンスプログラムのミニガイドにも優越的地位の濫用(7頁)に例としてあがっている程の典型的な違反ですので注意が必要です(肥田弘昭法律事務所お知らせ2026年3月11日情提供参照)。
  なお、優越的地位の濫用については、肥田弘昭法律事務所2018年10月26日の優越的地位の濫用(独占禁止法)の基本と事例検討もあわせてご覧ください。
 2 注意点としては、公正取引委員会は、警告や排除措置命令などするか否かについては、条文にかかれていない行為の広がりを判断基準にしています。独占禁止法が公正競争を保護するため、個々の事業者等の権利保護ではないからです。
   株式会社ザグザグは、令和7年12月時点で、岡山県、香川県、広島県、兵庫県などにおいてドラッグストア(221店舗)を展開しており、岡山県内のドラッグストア市場において売上高が上位であったことから、優越的地位のみならず、行為の広がりも認められたため、今回の警告に至ったと考えられます。

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