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2026年02月08日

不正競争防止法の営業秘密の意義と営業秘密の不正競争行為類型と民事的保護について教えてください。

1 営業秘密
(1) 不正競争防止法2条6項
「この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」
(2) 営業秘密の3要件
 ① 秘密として管理されていること(秘密管理性)
 ② 事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること(有用性)
 ③ 公然と知られていないこと(非公知性)
(3) 秘密管理性
 ① 当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であることを認識できるようにしていること、②当該情報にアクセスできる者が制限されていること
(4) 有用性
  当該情報により財・サービスの生産・販売、研究開発、費用の節約、経営効率の改善などの現在又は将来の経済活動に有用であるか否か
(5) 非公知性
  不特定の者が公然と(不正な手段によらずして)知りうる状態にないこと
2 営業秘密に関する不正競争行為の類型
(1)「この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。」(同法2条)
(2)  2条1項4号
  窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(以下「営業秘密不正取得行為」という。)又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(秘密を保持しつつ特定の者に示すことを含む。次号から第9号まで、第19条第1項第6号、第21条及び附則第4条第1号において同じ。)
(3) 2条1項5号
 その営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
(4) 2条1項6号
 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
(5) 2条1項7号
 営業秘密を保有する事業者(以下「営業秘密保有者」という。)からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為
(6) 2条1項8号
 その営業秘密について営業秘密不正開示行為(前号に規定する場合において同号に規定する目的でその営業秘密を開示する行為又は秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為をいう。以下同じ。)であること若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
(7) 2条1項9号
 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
3 不正競争行為に対する民事的保護
(1) 差止請求(3条)
 1 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第5条第1項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
(2) 損害賠償請求(4条)
 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第15条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密又は限定提供データを使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。
(3) 信頼回復の措置(14条)
 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、その営業上の信用を害された者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その者の営業上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。
(4) 損害額の推定等(5条)
 3項 第2条第1項第1号から第9号まで、第11号から第16号まで、第19号又は第22号に掲げる不正競争によって営業上の利益を侵害された者は、故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対し、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
 三 第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争 当該侵害に係る営業秘密の使用
(5) 具体的態様の明示義務(6条)
 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがあると主張する者が侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。ただし、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。
(6) 相当な損害額の認定(9条)
 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
(7) 損害計算のための鑑定(8条)
 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
(8) 秘密保持命令(10条ないし12条)
(9) 書類の提出命令(7条)
(10) 当事者尋問の公開停止(13条)
(注意 令和8年2月8日時点の法令による)